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2015-02-10

憲法9条をめぐる運動の正念場について

 
(2.3埼玉大集会)
ー「憲法9条をめぐる運動の正念場」ーこれは小森陽一さん(9条の会事務局長、東京大学大学院教授)の2月3日の「いのち 平和 憲法9条 2.3埼玉大集会」における講演タイトルです。この場で小森さんは「集団的自衛権の行使を容認する閣議決定」の肝は以下の条文ですとし、「国の存立を全うし、国民を守るための切れ目のない安全保障法制の整備について」から武力行使の新三要件を説明しました。




 
(小森陽一さんの講演)
「こうした問題意識の下に、現在の安全保障環境に照らして慎重に検討した結果、我が国に対する武力攻撃が発生した場合のみならず、我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これにより我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある場合において、これを排除し、我が国の存立を全うし、国民を守るために他に適当な手段がないときに、必要最小限度の実力を行使することは、従来の政府見解基本的な論理に基ずく自衛のための措置として、憲法上許容されると考えるべきであると判断するに至った。」と閣議決定文書には書かれています。

 小森さんは旧三要件との対比を行い、「我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これにより我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある場合において」との記述がこれまでとはことなり、安倍内閣は我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃に際しても、集団的自衛権の行使が憲法上許容されるとしたと解説しました。そして、「我が国と密接な関係にある他国」とは時の内閣の解釈によってどのようにでも決められる恐れがあるとして、この集団的自衛権の行使を容認する閣議決定は撤回されるべきと主張しました。

 そのうえで、集団的自衛権の閣議決定の法制化作業が進められるなかで、戦後70年の今が歴史的にどのような時点なのかを正確に知る必要があるとしました。1950年代からのふりかえりがありました。今回の講演で私にとって特に印象的な話題は2004年の九条の会発足当時には新聞等の世論調査で憲法9条改正すべきとの世論が上回っていたのが、それから10年を経て世論が逆転したことです。この間に9条の会など草の根の運動が目に見えて広がっていることも事実ですし、安倍政権が最も恐れているのは集団的自衛権の行使容認に反対する草の根の民意です。ここに今日の情勢の根幹があると指摘しました。

私はこれらの指摘に大いに共感するものです。草の根の広がりを強める必要があると思います。


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