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2014-05-10

南ア、虹の国として再出発してから5回目の総選挙

(マンデラさん関連本)
南アフリカ共和国では1994年にアパルトヘイトを廃して、虹の国として再出発してから20年目を迎え、日本時間の5月7日に5回目の国政選挙が行われた。開票率は98%を超え、ほぼ大勢は確定した。ジェイコブ・ズマさんが率いる政権与党のANC(アフリカ民族会議)はやはり強力で62.2%、しかし、前回より3.7%減らした。一方、野党のヘレン・ジレさんが率いるDA(民主同盟)は22.2%、前回より5.8%増やした。そして元ANCの青年同盟議長でズマさんらと対立して除名されたジュリアス・マレマが設立したEFF(経済自由戦士)が6.7%を獲得した。結果的にDAとEFFがANC批判票を取り込んだ形になった。
ANCは南ア経済の停滞や貧富の格差増大など国民の不満やズマ党首の金やモラルをめぐる様々なスキャンダル報道のなかでも6割を超える圧倒的な支持を得た。もちろん、南アの9つの州の各党得票率はばらついていて、西ケープ州はDAが1位、ジョバーグのあるハウテン州ではANCは1位だが55.0%と他の州に比較して苦戦しているのだが。

以下は私の見方だがANCは今回の20年目の選挙にあたり、昨年末に亡くなったネルソン・マンデラさんを改めて前面に押し出しての選挙を行ったのではなかろうか?南アの貧しい人々はアパルトヘイトを終わらせて20年を経て、自分の身に豊かさなどの経済的変化がなかなか現れないことに不満がありつつ、部分的にはジレさんのDA、マレマさんのEFFなどを選んだが、大勢はANC以外の選択肢を十分には持ち合わせていないと推定される。今回の選挙結果を受けて現在のANCリーダーらはネルソン・マンデラさんの掲げた「虹の国」の理想を守り、自らの政策を厳しく見直して、1994年の初心に帰るしか残された道はないのではないかと思う。

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