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2013-02-23

地元紙の報道から(Reading some local newspapers)

Cape Times紙
バレンタインデーはこちら南アではチョコレートを贈るということもあるようですが、夫婦や友達などの男女双方が花やカードを贈り合うというのが普通のようです。私の教室では2月14日に珍しいスイスの事例や6月12日のブラジルの恋人の日(季節違いのバレンタインデー)など各国の事情について情報交換しました。日本の3月14日のホワイトデーについては特に関心が寄せられました。

 2月14日には南アの国会でズマ大統領の「施政方針演説」があり、翌日の新聞では通常ならばトップ記事で紙面を埋めるはずでしたが、2月15日の一面トップはオスカー・ピストリウス容疑者による恋人のリーバ・ステーンカンプさんの殺害記事でした。地元紙Cape Timesはその日以降も連日トップ記事でこの事件を報道しています。

 バレンタインデーの以前にはブレダスドルブで16歳の少女が知り合いの少年たちにレイプされ、その後、腹部を切り裂かれて殺されてしまうという事件が起こりました。この少女は発見された時にまだ息があり、病院で自分をひどい目に合わせた少年の名前を言ってから息を引き取ったのです。

 こうした事例にとどまらず南ア社会では新聞などを読み込むと一日に何件かの強盗、レイプ、恐喝などの重大な暴力行為が発生しています。また、鉱山労働者によるストライキなどの抗議行動の際に、マリカナなどの事例では警察隊の発砲によって多数の死者が出る事態となりましたが、昨年8月に起こったこの事件の国による調査報告がいまだに終わっていません。

私の思うところでは新聞などに短く取り上げられたり、全く記事にはなっていないような日常的な暴力の発生にこそさらに目を向けるべきです。これらのことは民主主義の根幹を揺るがす出来事としてマスコミなどがもっと継続的に着目すべきです。オスカーピストりウス容疑者の事件は世界的な関心を呼ぶことではありますが、それにもまして南ア社会で発生している日常的な暴力行為の一つ一つを最後まで追いかける姿勢が求められるのではないでしょうか?

 南アに一年間ほど暮らしてみると安全な街と言われるケープタウンでさえ、夜中に一人で歩くことは避けなければなりません。そして、是非、訪ねたいと思うタウンシップにも決して一人で行くことはあり得ません。勿論、日本との単純比較は慎みたいと思いますが、南アの未来のためにも避けて通れない、南アの人々自身による暴力との戦いが息長く必要と思います。

2 件のコメント:

  1. 依田 寿男2013/03/11 15:44:00

    藤原一也様へ
    今年の3月までとの事で今頃は帰国準備中かもしれません。
    南ア情報によれば、お寿司が人気メニューとの事を聞きました。実際のところはどうなんでしょうか?

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  2. 只今、帰国準備中です。寿司店はヘルシーブームで沢山登場しています。しかし、南ア風にアレンジされていて私の舌には馴染みません。本物の寿司は数少ない日本人シェフのいるレストランに行くことになります。そこでもお米が少し違います。

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